▶特別企画 本誌主催・公開セミナーより
柏田道夫「コンクールのための1時間ドラマの書き方」
昨年12月23日に開催された本誌主催公開セミナーから、講師の柏田道夫氏が、2000年以降に受賞したコンクール入賞作品を例に挙げ、コンクールに入賞するためのコツを解説した講義の誌上採録。
▶シナリオ
2011年3月の東日本大震災から3年……。未曾有の大災害を背景に、家族の崩壊と再生を描いた作品。
東北の海沿いの街で生まれ育った西郷良介は地元の信用金庫の支店長となり、妻の麻子、母・奈美、市役所に勤務するひとり娘・千晶と共に、海を見下ろす小高い丘にささやかな家を建て、平凡な生活を送っていた。
ある休日、良介たちは千晶の恋人・浜口修一の自宅に、初めての両家顔合わせに向かった。浜口家は代々漁師で、修一の父・克己、母・正代、祖父・吉也、祖母・いく、弟の光彦の6人家族……。千晶は将来、政界で活躍する夢を抱いており、良介と麻子は娘が漁師の家に嫁ぐことに複雑な想いを抱いていたが、それはまた浜口家の面々も同じだった。だが、2人の結婚への意思は固く、両家はそれぞれ子どもたちの結婚を認めることに。そして、この宴席で、良介と克己は互いに、中学の同級生だったことに気づく……。
しかし、それから5日後の2011年3月11日、東日本を襲った地震と津波が、2つの家族の運命を大きく変えてしまう。浜口家は、正代、いく、修一が津波に襲われ、他界。自宅も船も失った。一方の西郷家は高台にあったため被害をまぬがれ、全員無事だった。
市役所勤めの千晶は、婚約者を失った悲しみを感じる隙もないほど仕事に追われる。良介や麻子は浜口家の力になりたいと考え、うちに泊まってくれと申し出る。だが、西郷家を訪れた克己、吉也、光彦は何を思ったか、その晩、大暴れして……!?
出演:中井貴一 樋口可南子 黒木メイサ 吉行和子 柳葉敏郎 橋爪功 岸本加世子 倍賞美津子 渡辺大 神木隆之介
▶シナリオ
1945年3月10日、東京。東京大空襲のあったこの日、空前絶後の消防活動に身を投じた帝都の若き「消防隊員」たち。戦争で敵と殺しあうのではなく、燃料も食料も不足する中で、空襲の消火活動を徒手空拳で行え、と命じられた彼らをつき動かしたものは何だったのか。若者の多くが戦地へ赴く中、徴兵を猶予された理科系・医科系の学生たちによる『学徒消防隊』、満18歳に満たない少年たちによる『年少消防官』などの消防隊員たちが危険にさらされた市民の命を救うため、自らの命をかえりみず火の中へ飛び込んだ、知られざる人間模様に迫る。
本作が遺作となった中園健司氏との仕事について、同作のチーフプロデューサー・篠原圭氏にお話を伺う。
また、2007年1月号・中園氏のインタビュー記事を再掲載。
▶シナリオ
1年に20日ほどしか出ないという“幸福のダルマ夕日”を見に、高知県西部のとある港町を訪れた松井美奈。バツイチ・子持ちの恋人がいる美奈にはどうしても大みそかまでに「ダルマ夕日」を見なければならない理由(ワケ)があった。
残された時間は、4日間。美奈は、町の皆から“お母ちゃん”と慕われ、「ダルマ夕日」について詳しいという
浜田公子の営む漁師居酒屋の二階に泊まることになる。
しかし、公子はとんでもない“はちきん母ちゃん”だった!
美奈を正月の買い出しや大掃除に連れまわす公子。他人の子どもであろうと見境なく叱り、その行動は“豪快”そのもの。そんな公子を理解できない美奈の元に、美奈の恋人・孝之とその息子・聡がやってくる。
はたして美奈は「ダルマ夕日」を見ることができるのか。そして、美奈の決断とは……?
出演:安藤サクラ 倍賞美津子 高橋 努 戸田昌宏 田中要次
本作の脚本創作について、脚本家になるまで、デビュー以降のエピソードなどを吉澤氏に伺ったインタビュー記事も掲載。
▶誌上講座
江頭美智留『超実践脚本塾 エガシラのお仕事』(10)
90年に脚本家デビュー以降、『ナースのお仕事』『神様のいたずら』『1リットルの涙』『ごくせん』『一攫千金夢家族1・2』『タンブリング』『Pure Soul?君が僕を忘れても?』など数多くのヒットドラマを手がけてきた江頭氏が、デビュー前6年間に及んだプロットライター時代、そしてデビュー以降長年に渡って蓄積してきた“エガシラ流”脚本作法を公開。現場で通用する、通用させる脚本を創るために必要な知識、テクニックなどを分かりやすくレクチャー。今回は『【絵変わり】を意識する』。
▶誌上講座
北阪昌人『北阪昌人のラジオドラマ脚本入門』(7)
『NISSAN あ、安部礼司』『AKB48の私たちの物語』など数多くのラジオドラマを手がける脚本家・北阪昌人による誌上講座。ラジオドラマ脚本執筆のノウハウを余すところなく披露する他、ラジオドラマ制作の現場へ北阪氏が赴いて取材。毎回、制作者ほか番組に関わる人々の「ラジオドラマ」への熱い思いを紹介。今回は、登場人物の設定について(主に名前のつけかた)。そして「ラジオとWEBの相性の良さ」について、TOKYO FM編成制作局のWEB担当者にお話を伺う。
▶連載
セリフとト書き(96)/山岡真介『頭から離れない台詞』
テレビドラマ「セクシーボイスアンドロボ」「夢をかなえるゾウ」「名探偵の掟」などを手がける氏が、シナリオ執筆前に脳をフル回転させ行うという「ひとり作戦会議」についてその利点を綴る。
▶連載
放作協通信(18)
一般社団法人日本放送作家協会の最新情報を伝える広報ページ。
2月11日に開催されたシンポジウム「脚本アーカイブス一般公開へ向けて」のレポート。
▶連載
さらだたまこ/カフェ・ラ・テの庭で(60)
AM1422kHz ラジオ日本・木曜深夜3時から好評放送中のトークラジオとのコラボ企画。
今回は、脚本家の鈴木智さん、放送作家の岡英城さんのトークを誌上採録。
▶シナリオ公募情報
(中間審査結果)
第42回創作ラジオドラマ大賞 一次・二次審査通過作品発表
(募集要項)
第4回TBS連ドラ・シナリオ大賞
▶ライター掲示板
阿相クミコ 井川公彦 椎名雅史 三宅直子
▶トピックスコーナー
東京アニメアウォードフェスティバル2014/本誌特別企画・ラジオドラマ脚本セミナー開催/脚本アーカイブス・シンポジウム